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建設業の現場力を高めるリーダー育成術とは?|成果を出すチームのつくり方

2025年7月14日
建設会社M&A

はじめに

建設業界では、「人材不足」や「技術の継承」が慢性的な課題となっています。そうした中で注目されているのが、“現場を動かすリーダー”の存在です。どれだけ優れた設計や資材があっても、現場をまとめるリーダーが機能していなければ、工程遅れやトラブルは避けられません。本記事では、建設業において現場力を最大限に引き出すためのリーダー育成術について解説します。

現場力とは何か?

「現場力」とは、単に作業効率が良いというだけでなく、

・段取り力(計画・手配)

・状況判断力(トラブルへの対応)

・チーム統率力(部下や協力会社との連携)

など、現場で成果を出すために必要な総合力を指します。これを高めるには、現場の最前線で動くリーダーの質が重要です。

建設業界のリーダーに求められる3つの力

①コミュニケーション力

リーダーにとって最も基本でありながら難しいのが「伝える力」「聴く力」です。

・作業員・協力業者との信頼関係構築

・作業手順や安全対策の明確な指示

・トラブル発生時の迅速な対話と調整

建設現場は複数の人・会社が関わる「多様な利害関係者」の交差点。柔軟かつ正確な対話力が、現場全体の空気を左右します。

②安全・品質への意識

施工管理者として、安全管理・品質管理への意識は不可欠です。

・KY活動(危険予知活動)をリーダー自ら先導

・ミスや事故の再発防止に向けたPDCAの実践

・技術指導を通じた若手のスキル底上げ

「現場の安全と品質はリーダーの背中がつくる」といっても過言ではありません。

③教育力・人材育成力

現場を動かすのは「人」。つまり、リーダーには次世代を育てる力が求められます。

・OJTを活かした実践型教育

・若手・外国人労働者とのコミュニケーション強化

・叱る・褒めるのメリハリある指導

将来のリーダーを育てる視点を持つことが、組織の継続的な強さにつながります。

リーダー育成のために企業ができること

明確な評価制度を設ける

「何をすればリーダーになれるのか」「どうすれば評価されるのか」を明確にすることで、現場のモチベーションが上がります。

・能力評価と役職昇格を連動させる

・定量評価(施工管理技術、工程遵守率など)と定性評価(人望、指導力)を組み合わせる

定期的なリーダー研修・講習

以下のようなテーマでの研修が効果的です。

・リーダーシップと部下マネジメント

・安全衛生・法令遵守に関する知識

・問題解決力・交渉力トレーニング

オンライン講座や外部講師の招致など、多様な学習機会を用意しましょう。

③経験の「見える化」とナレッジ共有

属人化しがちな現場のノウハウを、社内の「財産」として共有することで、組織全体の底上げが可能になります。

・現場ごとの成功事例・失敗事例をデータベース化

・技術者による社内勉強会の開催

・動画やマニュアルを使ったeラーニング化

リーダー育成がもたらすメリット

リーダーを育てることは、単なる個人スキルの向上にとどまりません。企業全体に以下のような好影響があります。

・現場トラブルの減少と生産性向上

・離職率の低下と定着率の上昇

・会社のブランド力・信頼性の向上

つまり、「リーダー育成=現場力向上=企業の未来づくり」なのです。

まとめ|現場を変えるのは、“人を育てる力”

技術や資材だけでは、強い現場はつくれません。人が育ち、人が動くことで、現場は進化します。

建設業の未来を支えるのは、現場で信頼される“真のリーダー”。その育成に本気で取り組む企業こそ、次代を生き抜く力を持つのです。

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