― 規模が小さくても引き継がれる会社の共通点とは ―
建設業に携わっている方の中には、
次のように考えたことがある方も多いのではないでしょうか。
「自分は一人で仕事をしているだけなので、
会社として売却するようなものではない」
あるいは、
「従業員も少なく、売上もそれほど大きくない。
この規模では売却は難しいのではないか」
このような疑問は、ごく自然なものです。
特に長年一人親方として現場に立ち続けてきた方ほど、自分の事業を「会社」として評価する機会は多くありません。しかし、建設業界の実情を見ていくと、必ずしも会社の規模だけで売却の可能性が決まるわけではないことが分かります。
むしろ近年は、小規模な事業者であっても引き継がれるケースが増えてきています。
重要なのは、会社が大きいかどうかではなく、事業として継続できる要素があるかどうかという点になります。
目次
まず前提として、建設業は他の業種と比較しても小規模事業者の割合が非常に高い業界です。従業員数が数名、あるいは一人で運営している会社も珍しくありません。そのため、買収や承継を検討する側も、大企業だけを対象にしているわけではありません。
例えば、
このような要素を持つ会社は、
規模が小さくても評価されることがあります。
つまり、
「小さい会社=売れない」という単純な関係ではない
ということです。
ここでは、一般的に
どのような会社が引き継がれやすいのかを整理します。
建設業において、建設業許可は非常に重要な要素の一つです。
許可を取得するには、
など、一定の条件を満たす必要があります。また、取得後も更新や各種届出を継続して行う必要があります。そのため、長年許可を維持している会社は、それ自体が一つの実績と評価されることがあります。
特に次のような業種は、需要が安定しているため、引き継ぎの対象になりやすい傾向があります。
ここで重要なのは、単に許可を持っているということではなく、
今後も維持できる体制があるかどうか
という点になります。
売上の大きさよりも、仕事の継続性が重視されることがあります。
例えば、
このような状況は、将来の売上をある程度見通すことができるため、評価につながりやすい要素になります。
一方で、
このような場合には、将来の見通しが立てにくいため、引き継ぎの難易度が上がることもあります。
建設業では、技術や資格がそのまま価値になることがあります。
特に次の資格は、需要が高く、評価につながりやすいものとされています。
これらの資格は、許可維持にも関係するため、会社の継続性を判断する材料になります。
会社を引き継ぐ場合、一定期間、現場や業務に関わることができるかどうかは、重要な要素になります。
例えば、
・数年間は現場に関わることができる
・技術や取引先を引き継ぐことができる
このような状況であれば、
引き継ぎが現実的に進めやすくなります。
一方で、引き継ぎが難しくなる状況も存在します。
ここでは、一般的に注意が必要とされるポイントを整理します。
例えば、
このような状態になると、事業というよりも
個人の仕事
という性質が強くなります。
この場合、会社そのものを引き継ぐというよりも、
といった形になることがあります。
例えば、
このような状況になると、将来のリスクを判断することが難しくなります。
その結果、引き継ぎの検討が進まないことがあります。
重要なのは、
問題があるかどうかではなく、
整理できる状態にあるかどうか
という点になります。
売却価格は、会社の状況によって大きく変わりますが、一般的には次のような考え方が用いられます。
営業利益の1倍から2倍程度
例えば、
営業利益:300万円
売却価格:300万円〜600万円程度
この水準が一つの目安とされています。
ただし、実際には
・建設業許可
・技術や資格
・取引先の安定性
・年齢
・将来の継続性
といった要素によって
評価は大きく変わります。
小規模な事業者の場合、年齢や体力の問題をきっかけに、廃業を考えることがあります。
このとき、もう一つの選択肢として
事業を引き継ぐ
という方法があります。
引き継ぎが行われることで、
・取引先との関係が継続する
・技術や経験が残る
・仕事が地域に残る
このような形につながることがあります。
一人親方や小規模建設会社であっても、規模だけを理由に引き継ぎが難しいと判断されるわけではありません。
重要なのは、
事業として継続できる要素があるかどうかという点になります。
そして一般的に、次の条件が揃っている場合には、引き継ぎが検討されやすいとされています。
・建設業許可が維持されている
・継続している取引先がある
・技術や資格がある
・一定期間の業務継続が可能である
・財務状況が整理されている
もし、
「規模が小さいから難しいのではないか」
と感じている場合でも、
まずは、
どのような要素があるのかを整理してみることが、
次の判断につながる第一歩になるかもしれません。