こんにちは。BuildMAのアドバイザー、吉田です。
前回の記事では、年商1億円前後のスモール建設会社には、数字以上の「価値」があるというお話をしました。今回は最も多いご質問、「じゃあ、具体的にうちの会社はいくらになるんだ?」についてお話ししたいと思います。
確かに、長年苦労して守ってきた会社の「値段」がどう決まるのか、見当もつかないという方は多いはずです。そこで今回は、建設業界のM&Aにおける「評価の仕組み」について、現場目線で分かりやすく解説します。
目次
建設会社の査定において、最も一般的に使われるのが「年倍法(ねんばいほう)」という考え方です。ざっくりと言えば、以下の計算式で算出されます。
【売却価格 = 時価純資産 + 営業権(のれん)】
これだけでは少し難しいので、それぞれを分解してみましょう。
会社の預貯金や所有している土地、車両、機械などの資産から、借入金などの負債を引いたものです。ポイントは、帳簿上の数字ではなく「今、売ったらいくらになるか(時価)」で計算する点です。
「のれん」とも呼ばれます。建設業の場合、一般的には「実質利益の2〜5年分」が目安となります。
つまり、「今持っている財産」に「数年分の利益」を上乗せした金額が、譲渡価格のベースになるということです。
実は、上記の計算式だけでは測れない「隠れた価値」が建設業界にはあります。買い手が「多少高くても買いたい」と判断するポイントは、大きく分けて3つです。
「経営業務管理責任者(経管)」や「専任技術者(専技)」の要件を完璧に満たしており、許可が途切れる心配がないことは、買い手にとって最大の安心材料です。
「あの大手ゼネコンの1次請け口座を持っている」「腕の良い外注先が20社確保できている」といったネットワークは、買収後すぐに収益を生むため、高く評価されます。
今、建設業界で最も希少なのは「人」です。20代〜40代の動ける職人が揃っている会社は、利益率以上に評価が跳ね上がるケースが多々あります。
「うちは最近赤字だし、借金もあるから価値なんてないよ」と諦めている社長様もいらっしゃいますが、結論から言うと、建設業なら売れる可能性は十分にあります。
なぜなら、買い手は「過去の数字」よりも「自社と組み合わせた時の未来」を見るからです。
こうしたシナジーが見込める場合、純資産がマイナスであっても、営業権を高く評価して成約に至るケースは少なくありません。
将来的に「少しでも良い条件で次世代にバトンを渡したい」と考えているなら、今から意識すべきは「情報の整理」です。
こうした「現場の透明性」を高めておくだけで、買い手からの信頼感は飛躍的に高まり、結果として査定額のアップに繋がります。
会社の値段が出ることは、決してこれまでの経営の点数をつけられることではありません。それは、あなたが築いてきたものが、「次の誰かにとってどれだけの希望になるか」という期待値の現れです。
まずは「いくらで売れるか」をゴールにするのではなく、「今の自社の強みは何か」を客観的に知ることから始めてみませんか。
「自分の会社の場合、計算式に当てはめるとどうなるのか?」と気になった方は、お気軽にご相談ください。社長が大切にしてきた「数字に表れない価値」も含めて、一緒に棚卸しさせていただきます。
BuildMA アドバイザー:吉田